そして俺らは走り出す
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────…


結局、女子はアレ以降なかなか点数が取れず。


16-56という点差で圧勝した。



「「ありがとーざいました!!」」


挨拶を終えると、いきなり梨沙がその場にしゃがみこむ。


俺は体調が悪いのかと思い、梨沙に近寄る。



「おい…」
「悔しぃい~~!!!」




………は?


声を掛けようとした俺を遮り、体育館目一杯に響き渡る声で叫ぶ。




「悔しい悔しい悔しい~っ!!」


そう言いながら体育館の床をドンドンと叩く梨沙。


「ちょ、お前それは下にいる奴に迷惑だって!」



「もーっ

今日の紘、なんかボーッとしてるから勝てると思ったのにぃ!」



あぁ、成る程ね。


一番始め、俺があんな単純なミスをやったもんだから今日は勝てると油断していたら、あんな大差で負けたので悔しくなった、と。


ご愁傷さま。


……てかもしかしてこれ、俺のせい?





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