そして俺らは走り出す
「あはは

梨沙ちゃん頑張ってたもんねー」


いつの間にか後ろに来ていた健が言う。



「もー紘のせいだぁ!


駅前のクレープ奢りなさいよぉ!!」

「なんでだよ」


やっぱ関係ねーだろ、俺。

てか、何で勝ったやつが負けたやつに奢るんだよ。

逆だろ、逆。



「まぁ、奢りはなくても

女バスと男バス皆でクレープ食べに行くのはいいんじゃないか?」


健が、梨沙に対し半分呆れていた俺に言う。



「…はぁっ!?」
「「おー!!」」



男バスのメンバーと被ったせいで、俺の声はむなしく掻きけされる。



「じゃ、練習後自転車置き場集合なっ!」


俺の言葉は無かったかのように話を進めて、とうとう集合場所まで決定してしまった。



「おい…」

俺はさすがに我慢ならず、健を呼びつける。


「まさかあの大人数で行く気じゃねーだろな?」


どんだけ時間かけてく気だよ。



「あー…。


じゃあ今の試合に出てたメンバーだけって事で」


俺の言葉に苦笑し、少し考えてから言う。


10人か…。


まぁ妥当なところだろう。






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