初恋



颯人はあたしに近付いてきた



もう手を伸ばせば届く距離



1年ちょっと振りに見る颯人




「ひ、久しぶり…」




心なしか声が震える




「久しぶり。元気そうだな」




と、あの頃と変わらない笑顔




「…ありがとう。叫んでくれて」




颯人は少し戸惑った表情をした




「颯人がいなかったらあたし負けてた」




「よく俺の声聞こえたな。普通、聞こえねーよ」
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