ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

聖斗…そんな優しい顔して
お礼なんて言わないで…


私、また泣いちゃいそうだよ…


聖斗…
大好きだからね。
何があっても
私は、聖斗が大好きだからね…



--- 2月15日 ---


「ごちそうさま」


夕食を終え
食器を持って立ち上がった時だった。
隣に座ってる伯母さんが
私の手を掴み
大切な話しがあると言った。


大切な話し…?


嫌な予感がして
視線を聖斗に向けると
彼は、チラッと私の顔を見ただけで
すぐに目を逸らし
席を立ってしまった。


伯父さん、伯母さん
そして、私…


何を言われるんだろう…
もしかして
聖斗とのことバレたのかな…


ハラハラしながら
上目遣いで2人を見ると
意外にも、ニコニコ笑ってる。


「話しって、何?」


恐る恐る聞いてみた。


すると伯母さんは
急に姿勢を正し
ちょっと白々しい咳払なんかしたりして
伯父さんと頷き合ってる。


「あのね、伯父さんとも話したんだけど
美羅ちゃんを
本当の家族にしたくてね」

「…本当の家族?」

「そう。
美羅ちゃんに
私たちの娘になってほしいの」

「娘?」


伯母さんは
自分たちと養子縁組をして
大原の人間にならないかと
言ってきたんだ…


予想外の展開に
ただ、ただ、驚くばかり


「本当はね、美羅ちゃんを引き取った時
養子にしようかって話しになったんだけど
あなたはまだ、小さかったし

美羅ちゃんが大人になって
自分で判断出来るようになったら
その時にって…

どうかしら?
大原美羅に
なってくれない?」



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