ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
--- 2月16日 ---
私の18歳の誕生日
朝から落ち着かなくて
ソワソワしてた。
昼食を済ませて
伯母さんが出かける用意をしてるのを
複雑な気持ちで眺めていると
聖斗がリビングにやって来た。
言葉は交わさず
視線で合図する。
「あら、聖斗。
今日、大学は昼からなの?」
「いや…
今日は休みだよ」
「そう…
あっ、今日は美羅ちゃんの誕生日でしょ
帰りにケーキ買ってくるわね。
じゃあ、行ってくるから…」
「うん。
行ってらっしゃい」
伯母さんが
玄関のドアを閉める音が聞こえた後は
居心地の悪い静寂が
私と聖斗を包む
顔を上げると
聖斗と目が合った…
「美羅、こっちだ…」
聖斗の低い声に促され
立ち上がった私は
彼の後ろをついていく。
「どこ行くの?」
「来れば分かる」
聖斗の足取りは重く
目の前の背中は
とても寂しそう…
お風呂場を通り過ぎ
一番奥の部屋のドアの前で
聖斗は足を止めた。
「ここなの?」
「ああ…」
聖斗は、一呼吸おくと
ゆっくり部屋のドアを開ける。
6畳ほどの部屋に
普段、使われない物が
所狭しと置かれてる。
この部屋は納戸だ。
開いてるスペースは
僅か、1畳程しかなく
私たちは、その狭い空間に
寄り添いながら立っていた。
何も言わず
大量の荷物を眺めていた聖斗が
突然、振り返ったと思ったら
いきなり抱きしめてきた…
「美羅…」
強く押し当てられた唇。
貪る様な、荒々しいキス…
「せい…と?」
私の体は、そのまま床に倒され
馬乗りになった聖斗が
私のセーターを捲りあげた…