ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

この時、初めて涙が頬をつたった…


「美羅、ごめんな…
俺は美羅が妹だって知ってて
好きな気持ちを止められなかった。

その結果が、これだ…
知らなくていいことだったのにな…
俺を恨んでいいぞ…」


潤んだ瞳で
申し訳なさそうな顔をする聖斗。
私は気がつくと
彼にしがみ付き
大声で叫んでいた。

「バカ…聖斗はバカだよ!」

「美羅…」

「私なんかより
聖斗の方が、ずっと辛いのに
何年も一人で苦しんできたんでしょ…
私の心配なんて…しないで…」


そして、私は泣いた…
声を上げ
泣きじゃくった。


どの位、私は泣いてたんだろう…


泣き疲れ、グッタリしている私を
聖斗は抱き上げ
リビングのソファーに座らせると
熱いコーヒーを入れてくれた。


冷え切った体に染み渡る苦いコーヒー


悪い夢を見ている気分…
でも、これは夢ではなく
紛れも無い現実で
変えようの無い事実なんだ…


「せい…と…」


隣に座る聖斗に擦り寄り
体を押し付けると
また、涙が溢れる。


「私たち…これからどうなるの?」

「俺にも、分からなねぇよ…」


今まで通りなんて
無理なのかな…


「聖斗が私のお兄さんでも
私、聖斗を好きってこと
変えられそうにないよ」

「俺も…一緒だ。
でもな、美羅が知ってしまったら
もう…」

「イヤ!聞きたくない!」


別れの言葉なんて
聞きたくない。


こんなことになるなら
聞かなければ良かった…
何も知らなかったら
聖斗の彼女で居られたのに…


聖斗を追い込んでしまった
私のせいだ…


多くを望みすぎた
私のせいだ…


「お願い…側に居て…聖斗」





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