ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
教室に入っても
卒業式が行われた体育館でも
私の涙は止まらなかった。
智可も恵美里も泣いてた…
皆、それぞれ
この3年間に思いをはせ
旅立ちの日を迎えてるんだ…
クラスの違う上杉君の姿を見たのは
卒業生が1人ずつ名前を呼ばれ
立ち上がった後姿が最後
その背中に
私は心の中で
何度も感謝の言葉を繰り返していた。
退場する時
保護者の席に、伯母さんの姿を見つけ
また涙が出る。
友達との別れを名残惜しむ様に
教室で一杯、写メを撮り合い
ハグをした。
さようなら…
高校生の私…
さようなら…
上杉君…
沢山の思い出を、有難う…
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「恵美里…これ、着るの?」
「とーぜん!!」
「ちょっと派手過ぎない?」
「ぜーんぜん!!
美羅も、もう18歳なんだから
これくらいセクシーな服着なさい!」
私と智可は、学校から一番近い恵美里の家に来ていた。
今からクラスの打ち上げ(?)らしい…
男子の知り合いの店に5時集合。
制服で行くのは変だからと
恵美里に服を借りることになったんだけど
彼女の趣味は
ハッキリ言って…凄すぎる…
手渡されたモコモコセーターは
背中も胸元もガッツリ開いてて
ブラスレスレ。
スカートも超ミニで
スカートの意味を成してない気がする…
「あっ、下着も貸してあげるぅー
ショーツは勝負下着用に買ったのあるから
これなら見えても平気だよ。
おニューだから心配しないで!」
恵美里と私の心配してるとこ…
かなりズレてる…