ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

結局、恵美里に押し切られ
下着まで借りてしまった…


今まで着けた事のない
セクシー下着…
色は淡いピンクだけど
黒のレースがヒラヒラしてて
きわどいラインにドキドキ


おまけに、バッチリメイクまでされて
こんなの余計緊張するよ…


約束の店は
どう見ても高校生が来る様な店じゃなく
大人の雰囲気たっぷりのパブだ…


「いいのかな…?」

「いいんじゃない?」


智可と恵美里は平然と
『本日、貸切』の札が掛かった
大きな扉の中に入って行く。


「おまたせー」


もう既に、クラスの大半の子たちが集まってる。


「よう!遅いぞー
もう先に飲んでるぞー」


飲んでるって…お酒?


「うわっ!!
江川、お前…イメージ違う…
色っぺー」


男子が私を見て騒ぎだした。


「あー、ダメダメ!
美羅には年上のイケメン彼氏が居るんだからー
ガキは相手にしないの!」


恵美里の言葉に
男子たちがムクれてる中
クラスで1、2を争うほど
出席率が低かった男子が近づいてくると


「まぁ、いいじゃん。
江川も飲めよ」
そう言って、手渡された小さなグラス


「今日はここ、ホントは定休日なんだけどな
先輩の知り合いの人に無理言って開けてもらったんだ。
だから、他の客は誰もこなし
平気だって!」


悪魔の微笑みだ…


「だって…私、お酒飲んだことないし…」


それでも渋る私に
恵美里がダメ押しする。


「大丈夫だって、美羅。
飲んでごらんよ」


恵美里が言うならと
恐る恐るグラスに口を付ける。


「あっ…美味しい…
ジュースみたい」


智可と恵美里がニャッと笑って
顔を見合わせた。


「それは、カクテルってゆーんだよ」

「へぇ~…」


それから私は
お酒という意識が薄れ
調子に乗ってグイグイ飲んでた。


なんだろう…これ…?
フワフワして
すっごく、気持ちいいんだけど…






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