ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
「聖斗?今、なんて…言った?」
上半身を起こし
聖斗の顔を凝視する。
「んっ?聞こえなかったか?
俺、彼女つくるから
美羅も彼氏つくれって言ったんだよ」
「本気なの…?」
余りの衝撃に、呆然とする。
「このままでいいはずない。
俺たちは兄妹なんだ…」
私から目を逸らし
ベットから起き上がると
気だるい感じで
スエットを拾い上げた。
「俺と美羅の関係は
今日で終わりだ…」
「うそ…」
思わず聖斗の背中にしがみ付き
別れたくないと訴えたけど
聖斗は私の手を振り払い
立ち上がる。
「いい加減、目覚ませよ!
大人になれ。美羅」
聖斗の言う
大人ってなんなの?
世間体を気にしろってこと?
普通じゃないこの関係を恥じろってこと?
「お前がこの家を出るのは
いいきっかけなんだよ。
そろそろ、恋愛ごっこも潮時だな…
お互い、ちゃんとした相手
見つけたほうがいい」
イヤ… イヤ…
「聖斗は平気なの?
私が他の男の人に抱かれても…いいの?」
「……」
「私は聖斗が他の女の人抱くのイヤだ…
絶対、イヤだ!!
耐えられない!!」
泣いてすがった。
みっとなくても、格好悪くても
そんなのどうでもいい。
聖斗と別れる苦しみに比べたら
大したことじゃない…
でも聖斗は
凍りつく様な視線を私に向けると
私の手を振り払う
「いつまで裸でいるつもりだ?
小さい胸が風邪引くぞ!」
そう言うと
聖斗は私に無理やりパジャマを着せ
腕を掴むと
部屋の外へと私を突き飛ばす。
「終わりなんだよ…」
その一言を吐き捨てて…