ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
就職が決まって
浮かれていたのかもしれない。
私は下宿から自転車に乗って
コンビニに向かう途中
小さな三叉路を左右の確認をしないまま
飛び出した…
気付いた時には
三叉路の真ん中で
うつ伏せで倒れてた。
何が起こったのか
よく分からなったけど
固いアスファルトの冷たさが
頬から伝わってくるのだけは
ハッキリ分かった。
駆け寄って来る人たち
口々に私の安否を確認してるようだった。
体に痛みは感じなかったけど
頭がぼんやりして
徐々に意識が遠のいていく…
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真っ白な世界…
誰か…居る
赤い服を着た女性?
「ママ…?」
「美羅、大きくなったわね」
「どうして?
どうしてママが居るの?
もしかして…私、死んだの?」
ママは、ただ笑ってるだけ…
「ママ…私、ママに聞きたいことがあるの
聖斗のことだよ。
聖斗は本当にママの子供なの?
私たちは兄妹なの?」
ママは変わらず微笑んでいる。
「教えて、ママ!!」
「…手紙…」
「えっ?あの手紙のこと?」
「そう…手紙の…を…見て…」
ママ、聞こえないよ…
なんて言ったの?
・
・
・
「…らちゃ…ん。
み…ら…ちゃん」
あっ…
「美羅ちゃん
しっかりして!!」
「おば…さん?」
薄目を明けると
泣いてる伯母さんの顔が
すぐそこにあった。
ママ…
今のは夢?
「良かった…
美羅ちゃん。本当に良かった…
薫みたいになるんじゃないかって
生きた心地しなかった…」
ママ…みたいに?