ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

「美羅ちゃんが事故にあって
意識が無いなんて言われて
慌てて飛んできたのよ」


やっと自分の置かれた状況を把握した。


ここは、病院。


「一応、大体の検査はしてくれて
異常は無いみたいだって…
でも、意識が戻らなかったらどうしようって
心配したわよ」


やっと落ち着いた表情を見せる伯母さん。
その後ろで
まだオロオロしてる伯父さん。
なんだか笑える…


そして、少し体を起こそうと
足を踏ん張った次の瞬間…


「痛っつ!!」

「あぁ…右足の骨
ヒビが入ってるみたいよ…」

「はぁ~?」


異常、あるじゃない…
伯母さん。


念の為、その日は1日病院で過ごし
次の日のお昼前に退院した。


私は下宿に帰るつもりだったけど
伯母さんたちは
どうしても家につれて帰ると譲らない。


「そんな不自由な足してるのに
1人で置いてけないでしょ。
大学にも下宿にも連絡しといたから
家に帰るの!
いいわね!」

「でも…」

「大丈夫。
大学も卒業には支障無いって言ってくれたし
ここの先生に家の近くの病院宛てに紹介状書いてもらってる。
何も心配しないでいいから」


強引な伯母さんに逆らえず
渋々家に帰ることを承諾させられると
一度下宿に荷物を取りに戻り
伯父さんの車で家に向かう。


「でも、その位の怪我で済んで良かったわ。
美羅ちゃんをはねた車の人も
心配してて
何でもしますから言って下さいって…」

「あっ…あれは私が悪かったのに…
その人に申し訳ないな…」

「まあね。
示談の交渉は保険会社に任せてあるから
あなたは怪我を治すことだけ
考えてなさい」

「…うん」

「あぁ…心配って言えば…
聖斗が凄く心配してたわよ」

「えっ…聖斗…が?」

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