ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
「そうよ。
事故の連絡を受けた時
聖斗ったら、自分が美羅ちゃんとこに行くって
大騒ぎして。
でも、あんなに動揺してたら
今度は聖斗が事故を起こしかねないって
伯父さんに来てもらったのよ」
聖斗が私を心配してくれた…
素直に、嬉しかった。
家に着くと
リビングで少しくつろいでいたけど
なんか体がダルくて
部屋で休むことにした。
でも、ギプスで固められた足は
思った以上に不便で
松葉杖を使っても
階段を上がるのは一苦労だ。
伯父さんに支えてもらいながら
なんとか部屋に入り
ベットに寝転ぶ
帰って来たのは正解かも…
こんなんじゃ
とても1人で生活できない。
それに
今になって体のあちこちが痛む
なんか…疲れた…
少し眠ろう…
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んっ…?
頬に触れるひんやりとした
柔らかい感触…
「美羅…」
懐かしい手の動きと
低く優しい声
これは…
夢でないことを祈りながら
ゆっくり目を開ける。
信じられなかった。
あんなに遠く感じていた
聖斗が、こんなに近くに居る。
「大丈夫か?足…痛くないか?」
「…うん。大丈夫だよ」
「良かった…」
そんな優しい瞳で
見つめられたのは
何年ぶりだろう…
「心配したんだぞ…
本当に、真剣に心配した…」