ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

それから数日
思い通りに動けけず
がもどかしい日々を送っていた。


何もすることが無く
暇を持て余していて
楽しみと言えば食べることぐらいだ。


冷蔵庫を物色してると
奥の方に白い箱を見つけた。


もしかして、これって…


箱を取り出し中身を覗いた瞬間
私の胸は躍る。
それは、家から1時間以上もかかる
有名なケーキ屋さんの
ロールケーキだった。


「美味しそー!!」


勝手に食べたらマズイよね…
でも食べたい…
我慢できないよぅ

ちょっとなら…いいよね…


とか、思ってたのに
結局、3分の2ほど食べてしまった…


「ただいまー」


ゲッ!!
伯母さん帰って来た…


キッチンでアタフタしてる私に
伯母さんは
「もう見つけちゃったの?」
と、呆れた様に笑う。


「ごめんなさい…
誘惑に勝てなかった…」

「いいのよ。
どうせそれは美羅ちゃんのケーキなんだから」

「えっ?そうなの?」


伯母さんは買い物してきた食材を
冷蔵庫に収めながら
「聖斗がね、美羅ちゃんにって
昨夜、仕事が終わってから買いに行ってたみたいよ」
と、言った。


「聖斗が?私の為に?」

「そうよ。
あの子も優しいとこ有るのね」


聖斗…
仕事が終わって疲れてるのに
わざわざ1時間もかけて…
うぅん。往復だと2時間だ…


どうしてなの?
この前の態度だってそう…
あんなに私を避けてたのに
どうして急に優しくするの?







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