ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
夢の様な
濃く、満ち足りた時間が過ぎていく…
私と聖斗は
何度も何度も求め、交わり
愛し合った。
時間の感覚など、すでに無く
どの位
濃密な時を過ごしていたのか分からないほど
「フゥー疲れた…」
薄明かりの中
ほの白く浮かび上がる聖斗の肩が
大きく揺れている。
「そろそろ寝るか…」
「…うん」
まどろむ聖斗を見つめていると
幸せより、不安が過ぎる。
このまま眠ってしまったら
朝、目を覚ました時
また聖斗が消えてしまってるんじゃないか…
今晩のことは忘れてくれ…
そう言われるんじゃないか…
怖かった。
「ねぇ、聖斗…お願いがあるの」
「んっ?」
「あのね…
朝、起きたら…その…」
「何?」
「…キス…して欲しいの…」
愛されたことが嘘じゃないと
確信したい…
「……」
「聖斗?」
「まだ、4年分抱いてない…」
「えっ?」
「キスだけで済むと思うなよ。
まだ抱き足りねぇんだから…」
「あ…」
予想外の聖斗の言葉に
思わず赤面する私を
逞しい腕が包み込む様にギュッと抱きしめる。
これを幸せって言うんだよね…
やっと心の底から安堵し
まだ漂う熱気を纏いながら
ゆっくり瞳を閉じた。
朝が、待ち遠しいよ…聖斗…