ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
「事実を知りたいの…
そして、聖斗の気持ちを
少しでも楽にしてあげたい。
お願い、京子さん」
私の話しを聞きながら
京子さんは2通の手紙を何度も読み返していた。
「美羅…
あんたたち2人が
そこまで覚悟を決めて好き合ってるなら
話さない訳にはいかないね」
京子さんは
大きなため息をつくと
落ち着いた口調で話し出した。
伯父さんがアルバイトで薬局に来て間もなく
ママは伯父さんを好きになり
伯父さんも、天真爛漫なママに惹かれ
2人は周りの人には秘密で
付き合いだした。
でも、2人の関係に気付いたおじいちゃんが
大反対し、ママが中学を卒業すると
無理やり
名古屋の京子さんの元に預け
名古屋の高校に通わせた。
その時のママの悲しみ様と言ったら
見てるだけでも辛かったと
京子さんは目を伏せる。
そして、月日は流れ
ママも新たな生活の中
少しずつ元気を取り戻し
同じ高校に通う彼氏が出来たりと
立ち直った様子を見せ
京子さんも、一安心したそうだ…
でも、伯父さんの方は
ママのことが忘れられず
落ち込みは、そうとう酷かったらしい。
それでも
お世話になったおじいちゃんを
裏切ることはできないと
仕事に打ち込み
その内、薬局の経営を任されるまでになっていった。
傷心の伯父さんが
そこまで頑張れたのには
ある人の存在が大きかったのだと
京子さんは言った。
影になり。日向になり
伯父さんを支えたのは
他でもない…
伯母さんだった。
伯母さんもまた
伯父さんに恋をしてたんだ…
ママのことを知りながらも
それでもいいと
伯父さんを支え続けた伯母さん。