ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
「バカなこと言うな!」
「どうして?」
「どうしてって…」
この時、私はまだ信じていた。
「別れる女は抱けない」
聖斗が、そう言ってくれると…
でも…
「妊娠してるんだぞ。
なんかあったら、どうする?」
えっ…?
聖斗…今、なんて言った?
ニンシン…?
妊娠…?
「少し位なら平気だって!
聖ちゃん…来て…」
理絵さんに腕を引っ張られ
ベットに倒れこむ聖斗。
「今日は私の言うこと
何でも聞いてくれるって言ったよね…」
「…それは…」
「ずっと、抱いてくれなかったじゃない。
お願い…」
「理絵…」
ダメ…聖斗…イヤ…
目の前の聖斗が…
私以外の女は抱かないと言った聖斗が…
理絵さんを、抱き寄せた。
2人の唇が重なる…
私を抱いたベットで
今、聖斗は他の女を抱いてる…
「はぁーっ、聖ちゃん…好き…
私、聖ちゃんのキスが大好きなの…」
そして、理絵さんは…
妊娠してる…?
誰の子供?
誰の…そんなの、考える必要もない…
聖斗の…子供だ…
キスを交わす音と
理恵さんの喘ぎ声が
私を絶望という名の闇に引きずり込んでいく…
京子さんが言ってた"運命"など
存在しなかったんだ…
やっと、真実が分かって
明るい未来が見えたと思ったのに…
私は、一体、何を信じればいいの?