ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

「バカなこと言うな!」

「どうして?」

「どうしてって…」


この時、私はまだ信じていた。
「別れる女は抱けない」
聖斗が、そう言ってくれると…


でも…


「妊娠してるんだぞ。
なんかあったら、どうする?」


えっ…?
聖斗…今、なんて言った?


ニンシン…?

妊娠…?


「少し位なら平気だって!
聖ちゃん…来て…」


理絵さんに腕を引っ張られ
ベットに倒れこむ聖斗。


「今日は私の言うこと
何でも聞いてくれるって言ったよね…」

「…それは…」

「ずっと、抱いてくれなかったじゃない。
お願い…」

「理絵…」


ダメ…聖斗…イヤ…


目の前の聖斗が…
私以外の女は抱かないと言った聖斗が…
理絵さんを、抱き寄せた。


2人の唇が重なる…

私を抱いたベットで
今、聖斗は他の女を抱いてる…


「はぁーっ、聖ちゃん…好き…
私、聖ちゃんのキスが大好きなの…」


そして、理絵さんは…
妊娠してる…?


誰の子供?

誰の…そんなの、考える必要もない…


聖斗の…子供だ…


キスを交わす音と
理恵さんの喘ぎ声が
私を絶望という名の闇に引きずり込んでいく…


京子さんが言ってた"運命"など
存在しなかったんだ…


やっと、真実が分かって
明るい未来が見えたと思ったのに…


私は、一体、何を信じればいいの?







< 179 / 379 >

この作品をシェア

pagetop