ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

「あっ…彼は…
とっても優しくて、大人で
私のこと大切にしてれた
凄くいい人だよ…」

「いい人か…
兄貴に聞いたよ。
その、いい人は
美羅を一度も抱かなかったそうだな…

何ヶ月も一緒に住んでて
何考えてんだか…
それでも男かよ?」


聖斗の言い方が
黒木さんのことを、バカにしてるみたいに聞こえた。


「それが、何?
関係が無くったって
私と彼は十分理解し合えてた。

何考えてるか分からない聖斗より
よっぽど心が通じ合ってたんだよ」

「…そうか」


そう言ったきり
聖斗は黙りこんでしまった。


言いすぎたかな…


でも、ホントのことだ。


家に帰ると
リビングに居た優斗と伯父さんが
ズブ濡れの私たちの姿を見て
驚いていた。


私はお風呂に直行し
お風呂から上がっても
リビングに居る3人を無視して
そのまま部屋へ向かった。


久しぶりに戻って来た部屋。


変わらないフカフカのベットに寝ころび
目を閉じる。


どうして、こんな嫌なことばかり起こるんだろう…


もう、たくさんだ…


トントン…


ドアをノックする音に
ビクリとして体を起こす。


まさか…聖斗?

今は聖斗と話したくない。


私はノックを無視し
頭まで布団を被り、耳を塞ぐ。


「美羅、まだ起きてんだろ?
入るよ…」

「えっ…?」


遠慮気味に部屋に入って来たのは
優斗だった…


「どうしたの?」

「んっ?ちょっと…
美羅のことが心配で…」

「私のことが…心配?」




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