ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
優斗は、それ以上求めることはなかった。
それは優斗の優しさだったんだよね。
そして…
その日の夜
聖斗が理絵さんを連れ
家に帰って来た。
リビングに家族全員が呼ばれ
入籍の報告
今日、籍を入れるということは
誰も知らなくて
伯父さんも優斗も、かなり驚いてた。
「そんな、いきなり…
まったく聖斗は困ったヤツだな。
突然入籍して
住む所も決まってないのに…」
伯父さん困惑してる。
「あぁ、それは心配ない。
理絵は子供が産まれるまで
今まで通り実家に居てもらう」
「おいおい、新婚さんが
いきなり別居か?」
すると
聖斗に甘える様に寄り添っていた理絵さんが
嬉しそうに話しだした。
「実は、病院でお義母さんとも話したんですけど
お義母さんの親しい友人の方が
この近所にマンションを建ててるそうで
近々完成するから
そこに住んだらって言ってくれたんです」
「マンション?」
「はい、なんでも
前々から息子さんの為にどうかって、言われてたそうで…
金額も相談に乗ってくれるって
なので、お願いしちゃったんです。
ね、聖ちゃん!」
「あぁ…」
聖斗が伏し目がちに
私を見た。
だから私は
笑顔で言ったんだ…
「新築のマンションなんて素敵。
良かったね、聖斗」
ダメだよ…聖斗
そんな顔しちゃ
理絵さんが見てる
「でも…
私は、聖ちゃんと結婚したんですから
時々はこちらに伺って
嫁としての務めを果たすつもりです。
男性ばかりじゃ不自由でしようし
お義母さんが退院なさったら
お手伝いもしたし…」
理絵さんは、あくまでも明るく
しっかり者のお嫁さんを
アピールしてる。
「あ、そんな心配はいらないよ。
理絵さんも大変な時だ。
それに、美羅ちゃんも居てくれるしね」
伯父さんが遠慮気味にそう言うと
理絵さんは、私をチラリと横目で見て
満面の笑みで言う。
「あら、でも美羅ちゃんは
いつ居なくなるか分かりませんから
最近まで男性と同棲してたんですよね?
その人の所へ
また行くかも…」