ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

そうだ…
そうだよね…
いくら別々に暮らすって言ったって
今日は2人にとって、特別な日。
帰って来るはず無いよね…


私も、覚悟を決める時なのかもしれない。


「優斗…」


彼の首に腕を絡め
強く引き寄せる。


「何もかも…忘れさせて…」


聖斗を忘れる為
私は、その兄である
優斗に抱かれる…


そうすれば
何か変わるかもしれない…


安易な考えだった。
でも私には、それ以外の方法など
思いつかなかったんだ…


夢中で優斗を抱きしめ
夜の静寂を壊す様に
何度も優斗の名を呼ぶ。


もっと、強く…
もっと、激しく…
私を奪って…優斗…


聖斗のことなど
忘れてしまうくらい
優斗しか見えなくなるくらい
私の心も体も
あなたのモノにして…


そう心で唱えながらも
深い場所で
今なお求め続けてる聖斗の影
それを封印しようと
必死になって、自分を戒める。


私が愛する人は…優斗

聖斗なんかじゃない。


「もっと…もっと、強く抱いて…」


壊してしまいたい…

聖斗を想う心なんて
粉々に…壊してしまいたい…


さっきまでの優しい指先の愛撫は
過敏に反応する私の体に合わせ
次第に、激しく挑発する様に変化し
お互いの欲求を刺激する。


ジンジンと音を立て巡る血潮


途絶えることのない快感に
体が震える…


鋭敏な部分に、燃える様な熱い優斗を感じた。


私たちは
一つになり
いとこでも、幼なじみでもない
男と女になったんだ。


「あぁ…っ、んっ…」


感じる…
深く、深く
優斗を感じる…


「美羅…」

「んっ、はぁ…っ…ゆ、ゆうとぉー」


あなたを…愛したい…



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