ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

優斗が言った通り
その夜、聖斗は帰らなかった。


あの2人が、どんな風に"初夜"を過ごしたのか…
考えたくないと思っても
気がつけば
勝手に想像して
落ち込んでる私。


優斗に抱かれ
あんなに愛されたじゃない…
その愛に、私も答えたじゃない…
こんなんじゃ、ダメ。


ダメだよ…


その後の聖斗は
ほとんど毎日帰りは深夜。
朝も朝食を食べずに出かけてしまい
同じ家に住んでいるのに
下手をすれば、何日も顔を合わさない時もあった。


そして
伯母さんの退院の日


家族が揃う様
退院の日を日曜日に決めた。


お昼前、伯父さんと優斗が病院に向かい
家には私と聖斗
そして、理絵さん。


でも、理絵さんは貧血がひどいそうで
来るなり聖斗の部屋で休んでる。


リビングには、私と聖斗
2人っきり…


久しぶりに交わす会話は
どこかぎこちなくて
お互い視線を合わすことさえ出来ないでいる。


「理絵さん、大丈夫かな?」

「あぁ、心配いらねぇよ」

「見てきてあげたら?」

「寝てるだろうし…いい」


退院祝いの食事の支度も済み
何もすることが無くて
微妙な距離を取り
ソファーに座ってる私たち


気まずい…


この沈黙をなんとかしたくて
テレビのリモコンを手に持った時だった。
聖斗がこっちを向く


「兄貴のこと…本気なのか?」

「えっ…」


初めて、聖斗と視線が重なる。


「…本気だよ」

「なんでだよ…
なんで…兄貴なんだよ?」

「理由なんて、ない。
好きになったから…」

「それで、美羅は幸せになれるのか?」


一瞬、答えに困まった。


"幸せに…なれるのか?"


その、答えは…



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