ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
2階に上がり、私の部屋に入ると
京子さんは
待ちきれないとばかりに
話し出す。
「美羅!アンタ、聖斗にあのこと
まだ話してないんじゃない?
どうなの?」
「…うん、まだ…」
「何考えてんの!
これは、美羅だけの問題じゃないんだよ。
聖斗の問題でもあるんだ。
あの子が可哀想だろ?」
「でも…」
京子さんから視線を逸らす私に
彼女のカミナリが落ちる。
「でもも、へったくれもないよ!
美羅からあのこと話したってゆー連絡あるの
ずっと待ってたのに…
なんにも言ってこないし。
そうしてたら、優斗と結婚なんて…
美羅が理解出来ないよ。
私が来たのは
あのことを聖斗に話す為なんだからね!
腹くくりな。美羅」
これ以上の抵抗は無駄だ…
「…分かった…」
とうとう聖斗に話す時がきたんだ…
そこからの京子さんの行動は、早かった。
携帯を取り出すと
手慣れた感じでボタンを押す。
「あ、聖斗?
私、京子だけど。
今日の夜、アンタと食事したいから
どっかいい店予約しといて。
はぁ?今?アンタの実家だよ!
んっ?
食べるモノなんて、なんでもいいよ!任せるから…
とにかく
落ち着いて話せるとこ!
それと、間違っても嫁を連れて来るんんじゃないよ。
仕事終わったら1人で来るんだよ。いいね!」
ピッ!
「これで、よし!!」
京子さんの強引さに
唖然とする。
「美羅も来るんだよ。
まったく、なんで私が
ここまでしなきゃいけないんだろうねー」
そんなこと言われても
私、頼んだ覚え、ないんだけど…
でも、いいキッカケかもね…
こんなことでもないと
私は決心がつかなかったかもしれない。
そして、夕方
私は京子さんと食事をしてくると言って
家を出た。
聖斗が予約してくれた
ちょっと、お洒落な
創作料理のお店
案内されたのは
小さな個室