ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
12月23日
結婚式前日
いよいよ、明日は結婚式だ…
嬉しい?悲しい?
自分でもよく分からない。
京子さんに、あの真実を聞かされてから
聖斗はこの家に来なくなった。
最後に会ったのは
うどん屋さんで食事した時だな…
式のことより
明日どんな顔して聖斗と顔を合わせればいいのか
そっちの方が心配だったりする。
「…ら、美羅?」
「あ、何?」
「どうしたの?ボーッとして…」
私は今、優斗のベットで素肌に彼のキスを受けている。
「今日は、全然感じてくれないんだな…」
「…そんなこと…
明日のこと思うと、なんだか緊張して…」
すると優斗は、私を抱きしめ
「そうか…そうだよな。
明日だもんな…
俺たち、夫婦になるんだ」
と、しみじみと言う。
「うん…」
「美羅、幸せにするからね」
「優斗」
「愛してる…
美羅、愛してる…」
息が止まるほど強く押し付けられた唇が
私を現実へと引き戻す。
優斗の妻になる私が
他の男性を欲しがっちゃいけない…
全ての思考を、シャットダウンして
優斗に体を委ねた。
この先
私が抱かれることを許されるのは
この人のみ
優斗、ただ1人…
愛するのも、愛されるのも
優斗だけ
「やっと、感じてきた…」
「うっ…あぁ、優斗…ダメ…」
「ダメなの?」
意地悪な顔して
優斗が指を止める。
「ちが…うっ…の」
「分かってるさ」
純粋に私を愛してくれる優斗を
裏切ることは許されないんだ…
一生…許されないんだ…
窓の外では
今年初めて降る雪が
全てのモノを白く染め始めていた…