ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

妊娠中は、お腹の子に悪いから
出産後は、理絵の体が心配だと
何かと理由をつけて
俺は理絵を抱くことを拒否していた。


「もう大丈夫」と、俺を誘う理絵。
でも、どうしても抱けなかった。
…なのに、どうだ?
美羅の為だと思った瞬間
なんの迷いも無く
理絵を抱けた…


数ヶ月前に出産したとは思えねぇ…
理絵は以前と変わりない
出産前の体型に戻っていた。
前より大きくなったハリのある胸
スレンダーで、長い手足


男なら、こんな女を抱きたいと
誰もが思うはず…


でも俺は
そんな妖艶な理絵の裸体を見ても
別段、興奮することはなかった。


体も胸も小っこくて
まだ幼さが残る
美羅のあの、透き通るほど白い肌が恋しい


強く抱きしめると
壊れてしまいそうな
あの、儚く危なげな体が欲しい…


ほんの少し触れただけで
潤い、敏感に反応する美羅の中で
温かいお前に包まれながら
俺の鼓動を伝えたい…


美羅…今、お前は何してる?


兄貴と居るのか?


兄貴に…抱かれているのか?


俺の…俺だけの美羅だったはずなのに…


鮮明に目に浮かぶ
俺に抱かれ、女の顔をした美羅の姿


細い指先が、俺の頬を撫で
濡れたまつ毛を震わせながら
キスをねだる潤んだ瞳


上気して、桜色に染まる胸
じらすほど
艶っぽく、甘くなる声


俺が激しく攻めれば
絹の様な黒髪を乱し
普段の美羅からは想像も出来ない位の色気を漂わせ揺れる
きしゃな細い腰


あんな姿を
兄貴にも見せてるのか?

あの声を
兄貴にも聞かせているのか?


ちくしょう!!


止めろ…止めてくれ…


頼むから…止めてくれよ…


美羅…



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