ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
理絵を抱きながら
やり場のない怒りと嫉妬に
どうにかなりそうだ…
俺は、こんなに未練たらしい男だったのかよ?
マジ、情けねぇ…
満足して眠った理絵を残し
バスルームに向かうと
頭から熱いシャワーを浴びる。
取りあえず
これで理絵が俺と美羅のこを疑うことは避けられたはずだ。
でも…
俺はこれからも
一生、こうやって美羅を想い続けるんだろうか…
それは…
美羅を裏切り傷つけた
罪の代償なのかもしれねぇな…
その罪の重さを
痛いほど感じさせられた夜だった。
・
・
・
そして…
とうとう、この日がきた。
午前中に兄貴から美羅と入籍に行って来たと
携帯にメールが届いていた。
俺が理絵と入籍したと知った時の美羅の顔が
目に浮かぶ
お前も、あの時は今の俺みたいに
絶望の淵に立っていたのか?
愛する者が
手の届かない場所に行ってしまったという
どうしようもない喪失感
携帯を放り投げ
寝室のベットに寝ころび
目を閉じる。
「大原 美羅か…」
自分と同じ名字になった
愛しい女
今日からお前は、俺の義理の姉になる。
『私、聖斗の姉になるんだから
私のこと"お姉さん"って呼んでよね』
アイツ、そんなこと言ってたよな…
そうだな、もう少しお前のこと忘れられたら
そう呼んでやるよ。
でも、分かってたさ
そんな日が来ることなど…
美羅を忘れられる日が来ることなど…
無いって、ことを…
この愛を消すことなど
出来ないってことを…