ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

瑠菜ちゃんの世話も
随分、慣れてきて
泣き声だけで何を欲しているのか
分かる様になっきた。


「今日は天気がいいから
お散歩に行こうね」


実は、行きたいとこがあるんだ…
瑠菜ちゃんも、もう5カ月
そろそろ離乳食が始まる。


離乳食の作り方の本も買ったけど
イマイチ美味しそうに見えない。


市販の物を見て
勉強しよう!


ウチの薬局にも離乳食は置いてあるけど
私が瑠菜ちゃんを連れて行く訳にはいかない。
瑠菜ちゃんをベビーカーに乗せ
近所のドラックストアーに向かった。


わぁ~!!すごーい!!
棚一杯に並んでる離乳食にビックリ。
こんなに種類あるんだ…
見てるだけでも楽しくなる。
テンション上がっちゃうなぁー


えっと…食材は…?
取りあえず、幾つか買って帰ろう。


パッレージを見ると
どれも美味しそうで目移りする。


時間を掛け数種類の離乳食を選び
レジへと急ぐと
そこには
白衣を着た店員さんと、もう1人
見覚えのある男性が…


「うそ…」

「…美羅?」


なんで聖斗がここに居るのよ!


「瑠菜じゃないか…
どういうことだよ?
理絵はどうした?」

「あぁぁ…」

「まさか…お前たちだけか?」

「う、うん。
あー、あのね、理絵さんが用事あるって言うから
ちょっとの間、瑠菜ちゃん預かったの

暇だから散歩してて
たまたま、ここに来ただけで…」


ぎこちないイイワケをする私を
聖斗は怪訝な表情で見つめていた。
そして、ため息をつき


「そうか…理絵も困ったヤツだな…
美羅を頼るなんて
何考えてんだか…
悪いな、美羅」
と、申し訳なさそうに眉を下げる。


「う、うぅん。私は平気だよ」


なんとか聖斗を上手く誤魔化せ、ホッとしてると
他のお客さんのレジを終え
戻って来た
白衣の店員さんが
ニンマリしながら


「あれ?この人、大原君の奥さん?」
と、かなり危ない質問をしてくる。


「バカ!
コイツは、兄貴の嫁さんだよ」


そう答えた聖斗の笑顔を見て
なんだか、胸がチクリと痛んだ…





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