ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

妖艶な聖斗の瞳に、堪らず心臓が躍り出す。


「私の…知らない世界?」

「俺から離れられなくしてやる…
兄貴なんかじゃ満足できねぇ体にしてやるよ」


自信満々に冷笑を浮かべる聖斗


「変なこと…しないでね…」

「変なこと…?
終わった後に
もう一回、その言葉が言えるか…
楽しみだな」


凄く不安になる…

こんな聖斗、見たこと無い…


不倫という禁断を犯す後ろめたさなど
感じる間も無く
聖斗の唇が、私の唇を奪う


いつもより激しく求められ
何時しか私の腕は聖斗を抱きしめていた…


聖斗の体で割られた両足に感じる
軽い痺れ
それを知ってるみたいに
聖斗の5本の指がギリギリの刺激を与えてくる。


堪らず、仰け反る体
背中に感じるヒンヤリとした鏡の感覚
でも、その冷たさを忘れさせるほどの
聖斗の激しい愛撫


絶え間なく訪れる
もっと欲しいという欲望


「せい…とぉー、私…変だよ…」

「変じゃねぇよ…
素直な、いい子だ…」


溺れていく…

自分の立場など、どうでも良くて
ただ、この時を満たされたいと願う
欲望に負けてしまってる私


罪悪感など全くと言っていいほど感じない…
自分でも驚くほど熱く
情炎の炎が燃え上がる。


「もっと…して…」


こんなに露骨に
自分から求めたことなど
今まで一度もなかったのに…


さまよっていた視線が
聖斗の瞳を捉えた時…


私たちは、超えてはイケナイ一線を越えてしまったんだ…


今度こそ
許されない禁断の関係


堕ちて行く…

光の届かない闇の世界へ…


でも、もう戻ることは出来ない。
未知の快感を知ってしまった
この体が、それを許してはくれない…


___ 聖斗じゃなきゃ…ダメ… ___


震える全身が
そう叫んでる…


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