ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
朦朧とした意識の中
聖斗の汗ばんだ背中を
更に引き寄せようとした時
彼が離れていく…
「いゃっ…あぁ…」
「まだ早すぎだ」
冷静な顔をした聖斗が
私を抱き上げると
ベットへと歩き出す。
硬めのペットに私を寝かせると
横に寝ころび頬杖をつきながら
私の裸を、マジマジと見つめる。
「俺が欲しいか?美羅?」
「…うん」
「これで終わりって言ったら…?」
「ヤダ…」
意地悪な聖斗。
分かり切ってることを
ワザと聞いてくる。
それから長い時間
聖斗は人差し指だけを立て
私の体をなぞるのみ
焦らされてる…
「お願いしますって、言ってみろよ」
意地を張って、首を振ったけど
私のそんな小さな抵抗など
聖斗には通じなくて
結局、その言葉を言わされた。
そして、再び一つになった時の聖斗は
今までとは、別人みたいに優しくて
トロける様なキスを
何度もくれた。
時を忘れ
愛し合う
近くに居ても
次はいつ、こうやって愛されるか分からない。
そう思うと、余計に離れたくなくて
終わった後の余韻を楽しむことが出来ない。
子供みたいに聖斗の体にしがみつき
肌を密着させ
不安な気持ちを打ち消すのが精一杯
「もう一回…抱いて…」
それは、欲望ではなく
心も体も繋がっていたかったから…
「美羅が満足するまで
何度でも抱いてやるよ…」
「私のこと、愛してるって…言って…」
今にも溢れそうな涙を
聖斗の指が受け止めてくれた。
「飽きるくらい言ってやるよ…
美羅、愛してる。
愛してる…
あい…してる…」
私が流した涙のワケ
聖斗は気付いていただろうか…