ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

その日の夜
私は、智可と恵美里に電話して
今度の日曜に遊びに来ないかと誘った。


2人には、どうしても話さなきゃいけないことがある。


聖斗のことだ…


流石に、結婚して直ぐ
聖斗と寄りが戻ったなんて言い辛くて
今まで黙ってたんだ。


そして、日曜日の午後
2人はケーキを持って来てくれた。


そのケーキを食べながら
私は聖斗との関係を
正直に2人に話す。


驚くかな…って思ってたけど
意外と2人共、冷静で
「ふーん」とか言ってる。


「ビックリしなかった?」

「別に…智可と話してたんだよ。
きっと、そうなるだろうってさ!
美羅と聖斗君は、離れられないと思ってたよ」

「そう…なんだ…」


ちょっぴり、拍子抜けしたな…


「で、旦那さんは?まだ逃亡中なの?
ハッキリ言って、そっちの方が驚きだよ。
それで、旦那さんとは別れるの?」


恵美里は、遠慮すること無く
ズバリと言う。


「うん。まだ、なんにも手掛かり無くて…
優斗には、ホントに申し訳ないけど
彼が帰って来たら
別れ話ししようと思ってる…」

「「ハァ~…」」


2人のため息が重なった。


「それでね…
今日、来てもらったのは
智可にお願いがあって…」

「私に?」


キョトンとした智可に
私は、病院が休みの木曜日に
ここに来て、瑠菜ちゃんのお世話をしてほしいと
頭を下げた。


「はぁ?私が、子守?なんで?」

「理絵さんが、毎日どこに行ってるか…
何してるか…確かめたいの

彼女が聖斗と簡単に別れてくれるとは思えないし
それに、瑠菜ちゃんだって
渡してくれるかどうか…

だから、理絵さんが不利になる
決定的な証拠とか無いかなって…」


智可は呆れ顔で
「探偵になって、理絵さんの後をつけるってこと?」
と、項垂れる。

「…うん」


ごめんね、智可
でも、どうしても確かめたいの…


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