ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
マンションに帰り
智可に理絵さんのことを話すと
凄い勢いで怒りだした。
「理絵さんって、最低!!
美羅、早く聖斗君を彼女から奪っちゃいなよ!!」
智可に空気を入れられ
段々、その気になってく私。
「そうだよね!」
「負けちゃダメだよ!美羅」
「うん」
理絵さんが
瑠菜ちゃんを迎えに来るまで居てくれるって
智可は言ってくれたけど
私はそれを断った。
智可を頼ってばかりいちゃダメだ。
私一人で大丈夫。
夕方4時
理絵さんが、瑠菜ちゃんを迎えに来た。
瑠菜ちゃんを理絵さんに返し
私は彼女に話があると伝えた。
「なんなの?話しって?」
疲れた表情で
めんどくさそうに私を見る理絵さん。
「理絵さん。
理絵さんが毎日
私に瑠菜ちゃんを預けてどこ行ってるか知ってるよ。
キャバクラで働いてるんでしょ?」
「……」
理絵さんは、無言で瞳を大きく見開いた。
きっと否定して
いつもみたいに怒鳴ってくる…
そう思ってたのに…
理絵さんは、私の予想に反して
落ち着きはらい
意味あり気にニヤリと笑う。
どうして…?
瑠菜ちゃんをあやしながら
「それが…何?」と、顔色一つ変えない。
「何って…
そんなの普通じゃないでしょ!!」
「フフフ…
やっぱり、そうか…」
「えっ?」
「店長が言ってたわ
若い女の子が、私のこと聞いていったって。
思った通り、アンタだったんだ…
中々、姑息なマネしてくれるじゃない。
アンタがそこまでするとは思わなかった」
私を小馬鹿にした様に口角を上げる理絵さん。
「な…、悪いことしてるって思わないの?」
「そうね…
まぁ、ちょっとは反省してるわよ。
だから明日から、暫くお休みするって店長に言ってきたの
どう?これで満足?」
理絵さんは、悪びれる様子も無く
サラッとそう言って
平然と笑ってる…