ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
秘密
聖斗と理絵さんの離婚話しから
1ヶ月
あれから聖斗と話し合い
暫く2人で会うのはやめようと決めた
これ以上、理絵さんを刺激しては
別れ話しがこじれるばかり
だから、実家にも帰らなかった
そして、理絵さんはと言うと
聖斗に釘を刺されたせいか
まったく姿を見せない
だから瑠菜ちゃんとも会えずに居た
聖斗は時々帰って来て
理絵さんと話してるみたいだったけど
これと言って進展は無いみたい…
そんな、ある日
買い物に行こうと
部屋を出て
エレベーターの方に歩いていると
扉が開いたエレベーターから降りてきたのは
理絵さんと瑠菜ちゃん
驚いたことに
瑠菜ちゃんが一人で歩いてる
私を見つけた瑠菜ちゃんが
「みぃー!」と言って
おぼつかない足取りで
私に駆け寄ってくる
それを制止した理絵さんが
私を睨みつけた
「あの…瑠菜ちゃん、歩ける様になったんだね」
「そんなことアンタに関係ないだろ?」
「あ…」
私に抱かれたいと手を伸ばす瑠菜ちゃんを
無理やり抱えると
私の横を通り過ぎて行く
それでも、私に両手を広げ
「あぁー、みぃーみぃー」
と、切なげな声を上げる瑠菜ちゃん
「うるさいわね!」
そう言って、理絵さんは瑠菜ちゃんの手を
パチンと叩き、払いのけた。
泣きだす瑠菜ちゃん
「理絵さん、止めて!」
「フン!この子は私の子なの!
口出さないで!」
「ても、叩いたりしないで…
瑠菜ちゃんが可哀想だよ」
「何偉そうなこと言ってんのよ。
子供も産んだこと無いくせに
アンタに育児の何が分かるって言うの?
そんなのはね、子供産んでから言いなさいよ
あ、そっか!
旦那に逃げられたんだったわねー」
「……」
「代わりに聖斗の子供が欲しいなんて
思わないでよね。
聖斗の妻は、これから先も
私だけなんだから
聖斗の子を産める権利が有るのは、私!
もし、アンタが聖斗の子を妊娠なんかしたら…いい?
ただじゃおかない
どんな手を使っても
絶対に産ませない
肝に命じとくのね!」
その瞳は、憎悪に満ちていた