ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

どうしてなんだろう…

愛する人が居て
その人からも愛され
なのに、一緒には居られない…


私と聖斗だけじゃなかったんだ…

優斗もまた
愛する人を心に秘め
もがき苦しんでいた。


「ねぇ、優斗…
今からでも間に合う?
由香さんと幸せになれる?」

「美羅…由香のこと、許してくれるのか?」

「許すだすなんて…
私も、優斗を裏切ってたんだもん。

優斗が帰って来たら
離婚して欲しいって、言うつもりだった…」

「そうか…」


「由香さんと一緒に居ることが
優斗の幸せなんだよね?」
そう聞く私の質問に優斗は答えることなく

「美羅は、どうなんだ?
アイツと…一緒に居れるのか?」
と聞いてくる。


それは、分からない…

でも、笑顔で私は頷いていた。
優斗の幸せの為に…


・・・


それから暫くして
伯父さんと由香さんが戻って来た。


伯父さんの表情は険しく
由香さんは、また泣いたのだろう
潤んだ瞳は赤く腫れていた。


「由香さんには帰ってもらうよ。
美羅ちゃん、安心していいからね。
もう二度と優斗に会わないと
彼女に約束してもらった」

「父さん!!」

「優斗は黙ってなさい!!
こんなこと仕出かして…
美羅ちゃんが可哀想だとは思わないのか?」


いつもの優しい伯父さんとは思えないほど
怒りを露わにし
優斗を睨みつけてる。


「伯父さん、私のことなんていいの!!
優斗には、由香さんが必要なんだよ。
2人を引き裂くのはやめて」

「…美羅ちゃん?」

「私、優斗と別れる…
だから、由香さんと結婚させてあげて…」


呆然とする伯父さん


「別れるって…何言ってるんだ?
それは、もう優斗が嫌いになったってことなのかね?」

「違う…
優斗のことは、今でも大好きだよ。
でも、私にも
優斗より好きな人が…居るの」




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