ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
「はぁ?」
「さっきから、チョコマカ動いて
マジ、うぜー」
な、何…この人…
見た目は、そんなワルそうな人には見えない。
整った顔立ちで
艶の有るストレートの黒髪
落ち着いた雰囲気…
でも、長い前髪から覗く瞳は
氷の様に冷たく感じた。
「そんな言い方しなくても…」
「男漁りでもしてんのか?」
「なっ…バカなこと…
私、そんなことしてない!」
「フン!」
"フン!"って、何?
フツフツと怒りがこみ上げてくる…
「あなたこそ、何よ!
足開いて座らないで!
ここから、こっちは
私の陣地なんだから…
入ってこないで」
すると…
彼は、ブハッと噴出し
笑い出す。
ちょっと、私、怒ったんだけど…
「じん…ち?ハハハ…
お前、幼稚園児かよ。
レベル低ぅー」
「……」
幼稚園児って…
初対面なのに
なんでそんなこと言われなきゃいけないの?
「性格悪っつ!!」
「幼稚な男好きより、マシだろ?」
「だからー、それはー…」
つい、興奮して大声を上げてしまい
近くに居た先生に注意を受けた。
勝ち誇った様な目で見下ろす彼
式の最中も
時々、私を横目で見ては
肩を震わせ笑ってた。
今日はホントに最悪な日だ…
でも、私の最悪は
まだ終わってはなかったんだ…
「あれ?お前、後ろの席か?」