ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
「俺と違って、理絵が好きだった森下は
何かと理由をつけては理絵を呼び出し
抱いてたそうだ…」
…例え、自分を愛してくれなくても
理絵さんを抱くことで
森下さんは満足してたのかもしれない。
でも、それって…悲しい…
どんなに愛情を注いでも
報われない想い。
体は繋がっても
心は、決して繋がらない…
「そして…
理絵が妊娠したって聞かされた森下は
自分の子供じゃないかと
理絵を問い詰めた。
でも、理絵は俺の子だと言い張り
2人の関係は解消しようと言い出した。
俺と結婚するんだって
理絵は嬉しそうだったそうだ…」
「なんだか、森下さん可哀想…」
「もちろん、アイツだって諦めた訳じゃなかったんだよ。
理絵がキャバクラでバイトし出したって知って
毎日通って
瑠菜に会わせてくれって頼んでた。
納得したいから
瑠菜と親子鑑定をさせて欲しいってな…」
…そんな時
聖斗の行動に疑問を感じてた理絵さんは
聖斗がどこに居るか
監視する様になってて
あの、思い出の海の帰り
聖斗がホテルに入ったことを知った理絵さんは
聖斗を引き止める為の切り札に
証拠の写真を撮って来て欲しいと
森下さんに頼んだ。
条件は、瑠菜ちゃんに会わせてもらうこと
そして
上手くいけば、聖斗と理絵さんが別れる可能性もあると
微かな期待を胸に
何時間も私たちが出て来るのを待ち続けた。
「それで、森下さんは聖斗にどうして欲しいって?」
「瑠菜のDNA検査…
もし、瑠菜が森下の子だったら
理絵と別れてくれってさ。
こっちとしても
そうしたいって思ってたからな
意見は一致したよ。
で、理絵と結婚したいなら
俺に協力しろって言ったら
頷いてたよ」
「協力って…、聖斗は何をする気なの?」
「それは…
理絵が俺にしたのと同じことするだけだ」
冷静な顔で、淡々と話す聖斗に
ゾクッとする何かを感じた。
「同じことって?」
恐る恐るそう聞いた私に向かって
聖斗は含み笑いをするのみ
質問に答えることは無かった…