ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
それから1週間後…
優斗が無事退院して
離婚届を提出したと連絡があった。
私は優斗の妻ではなくなった…
そのことを身近な人に報告すると
なぜか恵美里が、お祝いのパーティーをしようと言い出した。
離婚でお祝い?と、渋る私に恵美里は
思い通りになったんだから
お祝いでしょ!とか言う。
まあね…そうなんだけど…
それなら上杉君も呼んで欲しいと頼むと
「当然!!当たり前のこと言わないで!!」
と、反対に怒られてしまった…
彼には会ってお礼を言いたかった。
そして、もう一つ…
お願いしたことがあったんだ。
・・・
パーティー(?)当日
メンバーは
恵美里、智可と雅史さん
私と聖斗
そして上杉君
でも上杉君は、仕事で少し遅れるそうだ。
場所は居酒屋でってことになってたんだけど
今晩にも出産になりそうな妊婦さんがいいるという
雅史さんに配慮して
病院の近くのファミレスになった。
「俺のせいで悪いな…」
「うぅん、気にしないで!
皆に会えるならどこでもいいよ」
申し訳なさそうに謝る雅史さんに
そう言うと
恵美里が乾杯しようと立ち上がる。
「そんなことしなくていいよ…」
「何言ってんの!!
ホントは嬉しいくせに~
…では、美羅の離婚を祝して
かんぱーい!!」
「乾杯!!」
変な盛り上がり方に
私と聖斗は苦笑い。
そこに上杉君がやって来た。
「遅くなってごめん」
「上杉君…」
5年ぶりの再会
私の知ってる制服姿の彼は
すっかりスーツの似合う大人の男性になってた。
「美羅…見違えたよ…
綺麗になったな…」
そう言って、私の前に座った上杉君を
睨んでる人が…
私の横に座ってる
聖斗だ…