ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

よりにもよって
さっきの失礼男が
私の前の席


「こっち向かないで!」

「そんなの俺の勝手だろ?
お前の陣地に入ってないし」


イヤミな奴。


せっかく窓際で一番後ろの
絶好のポジションなのに…
ホント、ついてない…


先生が自己紹介を兼ねて
出席番号順に名前を呼ぶ。


「次、上杉 淳(ウエスギ ジュン)」

「は~い」


気だるそうに手をあげる
前の席の失礼男


ふーん…
淳って…態度に似合わず
可愛い名前じゃない…


「次…江川 美羅」

「はい」


まだこの時の私は
大原ではなく
江川美羅


「へぇー…
お前、美羅ってゆーの?」

「う、うん…」


振り返った上杉淳は
私の顔をマジマジと見つめ一言…


「変な名前…」


さすがに、温厚な私でも…キレた…


パチーーン!!


気がついた時には
私は彼の頭を
思いっきり引っ叩いていた…


「痛ってぇー!何すんだよ」

「最低の男!大嫌い!」

「なんだとー!こっちもお前みたいなガキ
気にくわねぇーんだよ!!」


もう周りなんて見えない…

私たちは立ち上がり
戦闘体制…


「コラァァーーッ!
上杉、江川。
いい加減にしろー!!」



当然のことだけど…

クラスの皆が帰った後
私たち2人は残され
先生に、こってり絞られた。


初日から
何やってんだろう…私…







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