ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
「ううっ…、何よ…
こんなことになったのも
聖ちゃんのせいなんだから…」
「俺の…せい?」
「そうよ!聖ちゃんが、もっと私のこと見てくれてたら
あんなことしなかった…」
泣きじゃくりながら理絵さんは
真実を口にする…
…聖斗が中々会ってくれなくて
イライラしてた理絵さんは
女友達と久しぶりに飲みに行き
グチりながら、お酒を浴びるほど飲んだ。
酔っぱらった彼女に
隣の席の男性グループが声を掛けてきて
何時しか一緒に飲んでたそうだ。
そのグループと
二次会、三次会…
そして、その中の
意気投合した一人の男性と
理絵さんはホテルに行った…
名前も、住んでるとこも
聞いた様な気はするが
ほとんど記憶にない
顔すら覚えてない…
「その人とは1回きりだったし
まさか…って…
聖ちゃんを騙すつもりなんて無かった…
瑠菜は聖ちゃんの子供だって信じてたから…
そう思いたかった…」
「でも結局は、騙したことになるよな?」
雅史さんの言葉に
再び理絵さんが声を上げて泣きだす。
理絵さんの両親も
顔を伏せ、落胆した様子
あくまでも冷静な聖斗が
「離婚を承諾して頂けますね?」
と、理絵さんの両親の前に
検査結果の紙を滑らせる。
言葉も無く
頷く理絵さんのお父さん
それでも理絵さんは納得出来ないのか…
「イヤよ!聖ちゃんと別れるなんてイヤ!!
私一人が悪いの?
聖ちゃんだって、浮気してたじゃない!!
そこに居る
お義兄さんの嫁とコソコソ不倫してたんだから!!
いい子ちゃんぶって
聖斗を誘惑したその女の方がふしだらじゃない!!」
理絵さんの怒りは
私に向けられた。
何も言い返すことが出来ない…
「アンタに慰謝料請求してやるから…」
理絵さんが、そう言って私を睨みつけた時だった…
「黙りなさい!!」
怒鳴り声の主は
伯母さんだった…