ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
やっと先生のお説教から解放され
誰も居なくなった校内を
トボトボ歩き
外に出る。
…自己嫌悪
どうしてこんなこになるの?
私が何したって言うのよ。
それもこれも全部
上杉君のせいだ…
私の後ろを
少し距離をとり歩いてくる彼の足音さえも
憎らしい…
「ついてこないで!!」
「バカじゃね?
校門行くのに
ここ通らねぇと行けねぇだろ!」
「そんなの知ってるよ!」
体育館の横を
急いで通り過ぎようとした時だった…
ドカッ!!
後ろの上杉君に
気を取られてたせいで
誰かにぶつかった。
「あ、すみませ…」
わわぁっ!!
「痛ったーい!」
この人たち…
今朝、聖斗と話してた3年女子…
「す、すみません。
ごめんなさい」
必死で頭を下げる私に
幾つもの鋭い視線が突き刺さってくる。
「男子とイチャついて
前見てなかったんだー」
「今時の1年は
入学式で男作っちゃうんだねー」
「負けそうー」
体中に変な汗が
ジワッと、滲む。
そんな私を見かねたのか
上杉君が私の手を引き
「行こう…」と、歩き出す。
「キャー!ラブラブー」
3年女子の挑発も
どこ吹く風…
上杉君は、すました顔して
平然と歩いてく
でも、助かった…と、思ったのもつかの間
ゲッ!
私、上杉君と
手繋いでる…
ありえないんだけど…
手を引っ込めようとした時
運動場の方から
私を呼ぶ声
「みらーっ!遅いぞー」
聖斗…