ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

「そんな怒るなって
ホントのこと言うと

森下に頼んで
理絵のマンションに行った時
瑠菜のDNAを、こっそり採取してきて貰って
俺との親子鑑定を済ませてたんだ」

「DNAって、そんな簡単に採取出来るの？」


そう聞く私に、雅史さんが
「あぁ、綿棒のデカいやつで
口の中の粘膜を軽くこするだけでいいんだよ」
と、身振りで説明してくれる。


「結果は、さっきのと同じ
それで俺は事情を親父に説明して
理絵の家に行ったってワケ!!」

「じゃあ…
聖斗が父親なら、理絵さんの家の養子になって
同居するってこと
理絵さんのお父さんに言われた時には
全て知ってたってことなの？」

「当たり前だ!
そんな危険な賭け
易々と受け入れられる訳ねぇだろ？」


呆れた
全部仕組まれたお芝居だったんだ…


「その位思い切った約束しねぇと
あの父親、検査に同意しねぇと思ったんだよ。
後は結果を突き付ければいい。

で、問題になったのは…美羅だ」

「えっ、私？」

「お前、理絵に弱いだろ？
アイツになんか言われたら
ポロッと、言っちまう危険があったから
美羅には秘密にしてたんだよ」

「信用ないんだ」

「今までが、今までだからな」


それは…そうだけど…


「でも…まさか、俺と森下以外にも男が居たなんてな…
俺が違ってたら
当然、父親は森下だと思ってたから…
誤算だったよ」

「せめて理絵さんたちが来る前に教えてくれてたら
あんなにドキドキしないで済んだのに…」


ムッとしてると
伯母さんが私の横に座り

「あらぁ～、さっき言いかけたのよ。
なのに、瑠菜が泣きだしたら美羅ちゃん
私のこと無視して行っちゃったじゃない」

「あ…」


肩を落とす私に
聖斗が優しく微笑む


「全ては、俺と美羅の未来の為だ…
何があっても
もう絶対、離さねぇからな」

「…聖斗」


これで私たちは
誰に遠慮することなく
愛し合える…


やっと、夢が叶う…



・・・


そして
この日から5日後
聖斗と理絵さんの離婚が成立したんだ…