ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

私が結婚式の日を
あえて、この日に決めたのには
訳がある。


あれは…
16年前、私が6歳だった
クリスマス・イヴの夜…



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「…美羅ちゃん…
美羅ちゃん。起きて!!」

「…んっ?
おば…さん…
どうしたの?」


もしかして、サンタさんが来たの?


そう思った私は
嬉しさの余り飛び起きた。


でも、伯母さんの顔を見たとたん
子供心に
ただ事では無い何かが起こったのだと
直感したんだ…


「…伯母さん…?」

「美羅ちゃん…
薫と智也さんが…」

「ママとパパが、どうしたの?」


真っ赤に充血した伯母さんの目から
一筋の涙が零れ落ちた…


「事故にあったって…
病院に…病院に…」


伯母さんはそう言うと
私を抱きかかえ
部屋を飛び出し
階段を駆け下りる。


伯父さんの待つ車に乗せられると
イルミネーションが瞬く道路を
凄いスピードで
一直線に走り抜けていく。


何が起こったのか
分からない私は
後部座席で伯母さんに抱かれたまま
ただ、震えていた…




パパ…ママ…
何があったの?  




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