ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

それからの私たちは
挨拶さえも交わすことなく
お互いを避ける様になっていった…


私の傷ついた心は
癒える事はなく
喪失感と脱力感で
何も手につかない。


勉強にも身が入らず
当然、その後行われた中間テストは
惨憺たる結果に終わった。


「最近元気なくね?」


お弁当を半分ほど食べて
箸を置いた私に
上杉君が声をかけてきた。


「うん…ちょっと、色々あってね…」

「色々ねぇ…」

「テストも悪かったし
いいことなて、なんにもない…」

「で、江川はクラス順位
何番だったんだよ」


触れてほしくないことを
あえて口にする
意地悪な上杉君


「言いたくない!」


だけど、上杉君は
諦めるどころか
更に強引に聞き出そうとしてくる


「俺のも教えてやるからさー言えよ」


いい加減面倒くさくて
どうでもよくなってきた…


私は机の中から
クラス順位の書かれた
細長い紙を取り出すと
上杉君の前に置いた。


「上杉君のも見せてよ」

「あぁ」


2人同時に
紙を手に取る。


「「ゲッ!!」」


叫んだ言葉は一緒だったけど
驚いた内容は
まったく反対の意味


「うそ…1番って…」

「マジかよ…
40人中39番って…」


ありえないんだけど…


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