ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
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『美羅、いい子にしてる?』
「うん。
伯母さんがね、凄く大きなケーキ
ご馳走してくれたんだよ!」
『良かったね』
「ママ…何時に帰ってくるの?」
『そうね…
夜遅くなるの…ごめんね。
ママより
サンタさんの方が早く美羅のとこに
行っちゃうかな?』
「サンタさん?」
『そう、だから
今日は早く寝なきゃね』
「分かった!!」
結婚10周年
パパとママは
私をママの姉の伯母さんに預けて
2人で旅行に行っていた。
イヴの夜
帰ってくるはずだった…
「イヤァーーどうしてー
薫!薫!
智也…さん…目を開けて!!」
伯母さんの絶叫が
病院のICUに響き渡る…
そっと触れたママの指は
赤く血に染まり
氷の様に冷たかった…
「…ママ…パパ…」
サンタさん…
美羅は、わがまま言いません。
ドールハウスもいりません。
ピーマンも、残さず食べます。
朝も一人でちゃんと起きます。
だから…
だから…
お願いします。
パパとママを
私に返して下さい…
返して…下さい…