ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】
「ププッ…
お嫁さん?マジかよ!!」
勇気を出して言った私の言葉を
バカにした様に笑ったのは
優斗の弟
私より4歳年上の
大原 聖斗 (オオハラ セイト)
優斗の体越しに私を
呆れた顔で見つめてる。
「聖斗、イジワルなこと言うな!!」
「ふん!
兄貴は美羅のこと可愛がってるからな…
"お嫁さん"にしてやったら?」
いかにも嫌味タップリって感じで
そう言うと
プイッと、そっぽを向く。
「美羅、聖斗のことは気にするな。
美羅が大きくなったら
お嫁さんにしてあげるから…ね!」
「ホント?」
「うん」
ママとパパが居なくなって
初めて笑ったのが
この時だった。
優斗は、大好き。
でも、聖斗は大嫌い…
そして親族会議がおこなわれ
私はママの姉
伯母さんの家に引き取られることになる。
小学1年だった私は
優斗と聖斗が通う小学校に転校した。
突然、両親を亡くし
誰も知らない学校で一人
私は毎日不安と寂しさで
押しつぶされそうだった。
でも、休み時間になると
6年生の優斗が
教室を覗きに来てくれて
話し相手をしてくれた。
この時の私には
優斗が全てだったんだ…
頼れるのは優斗しかいない…
優斗が居たから
私は笑っていられた…