ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

「智可?らしくないこと言うね…」


すると智可は顔を赤らめ
彼氏ができたんだと告白してきた。


「えーっ、いつ?誰?」


モジモジしながら
恥ずかしそうに
事の成り行きを話し出す智可。


「昨日…B組の斉藤君に告られちゃって…
実は、私も彼のこと気になってて
それで…学校の帰り
彼の家で…」

「まさか…」

「うん…シちゃった」


私は呆気に取られ
言葉を失った。


これが、あの冷静沈着の智可なの?
経験があるのは知ってたけど
こんな簡単に体を許す子じゃないはず


「それがね…
彼との相性…凄く良くって…
私、もうメロメロ…」

「あわわ…
メロメロ…って…」


私はまだ
上杉君しか知らないから
そういうの
よく分かんないな…


「美羅も聖斗君とシてみてよー
私の感だと
美羅たち絶対、いいと思うよ!」

「そんなこと…」

「もぉー、聖斗君だって男だよ。
その内、きっと…」


興奮気味に話す智可
でも、私のテンションは下がるばかり…


「好きなら、その子のこと
抱きたいって思うのは当然じゃない」


好きなら…当然…


益々、気分は落ち込んでいく…


聖斗は私の裸を見ても
抱こうとはしなかった…
それどころか
必死で目を逸らしてた。


これって、好きっていえるのかな…

智可の言うように
好きなら抱きたいって思うよね…
特に男の人なら、尚更


幸せそうに斉藤君の話しをする智可が
羨ましくて仕方なかった。





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