ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

それから、たっぷり2時間
私と智可はカフェに居座り
男について
深く話し合った。


結論…男は女を抱くことしか考えてない!!
これが私たちの出した答え。


でも実際は
9割が智可の意見なんだけど…


「そろそろ、聖斗君来る頃だよね」

「そうだね。
行ってみる?」


外に出て、聖斗と別れた場所近くの
日の当たるベンチに座り
待つこと数十分…


「あっ…」


智可の声に顔を上げると
石畳の向こうに聖斗の姿を見つけた。


でも…
一人じゃない…


髪の長い女の人と
親しげに話してる。
とても楽しそうに、弾ける様な笑顔の聖斗。


「誰?美羅知ってる?」

「…知らない」


女友達くらい居るよね…
話しくらい…するよね…


自分にそう言い聞かせながらも
心はザワザワしてる。


その時、その女性がこちらを向いた。


「……!!」

「美羅…あの人…」


必要以上に聖斗に接近して
これ見よがしに体を密着させてる女性は
あの、私を階段の踊り場で
ひっぱたいた3年女子だった。


「あの人、この大学だったんだ…
これって、ヤバくない?」


智可の心配してくれてる声も
耳に入らないほど
私は動揺してた。


聖斗が私たちに気付き
駆け寄ってくる


「よう!」


明るく声をかけてきた聖斗に
無償に腹が立った。


「なんだよ!
放ったらかしにしたこと
怒ってんのか?」


そっぽを向いた私に代わって
智可が彼女の方に目配せしてみせる。


「大木が、どうした?」

「もう、聖斗君の鈍感!!」






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