ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

その後、聖斗はすぐに部屋を出て行き
訳が分からず、真っ白になった頭を抱え
ベットの上で悶々としている私。


今のは、なんだったんだろう…


私、寝ぼけてなんかないよね…


確かに聖斗は
私のおでこにキスした…


まだ、その感覚が残ってて…
消えてほしくなくて…
名残惜しむ様に
手のひらを額に押し当てる。


聖斗、あなたの気持ちが分からない…


私は、あなたのなんなの?




朝、朝食を食べてる聖斗を
何度もチラ見してしまった。


普段と何も変わらない聖斗の態度に
余計、私の頭の中はグチャグチャ


あの出来事が
夢だったと勘違いしそうなほどだ…


でも、夜中にこっそり私の部屋に来たのは
1日だけじゃなかった。
その日も、次の日も


聖斗は私の部屋にやって来ると
決まって、頭を撫で
額にキスをした。


もう、限界だ…
これ以上、寝たフリなんてできない…


今日こそは
聖斗を問いただそう。


覚悟を決め
ベットに入る。


夜中、1時過ぎ
部屋のドアが開き
聖斗が息を殺しベットの横にやって来た。


いつも通り
静まり返った部屋。
聖斗は膝を突き
私の顔を覗き込む。


瞼を閉じた私の頭を撫で
髪をかき上げ
小さな声で「美羅…」と、呟く。


聖斗の息遣いを肌で感じ
聖斗の顔が、すぐそこにあるのだと確信した私は
激しく打ち付ける鼓動を押さえつつ
そっと瞼を開る…


ぼんやりと
輪郭のハッキリしない聖斗の顔が
目の前にあった…


「せい…と…」









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