好きと言えたなら…




「実はね…?
滝沢君のことなんだけど…」


そう伝えると、少し驚いた様に、


「えっ、…ぅん、滝沢君がどうしたの?」


と、聞いてきた。

よし…!


「…私もさっき聞いて驚いたんだけど、
実は…、滝沢君付き合ってる人がいるらしいんだ……」


そう、私は正直に言った。

そして、しばらく間があいてから、


「…そ、それって本当のことなの?」



…麻耶、少し動揺してる。
でも、まぁ、無理ないかぁ…、
麻耶がずっと好きだった人だもんね…。

そして、

「…ぅん。
本当だよ…さっき、クラスで滝沢君、自分で言ってたから……」



そう言ってから、私は後悔した…

あんなストレートに言わなきゃよかった…。
…麻耶、泣いてないかな…?



麻耶はすぐ強がるから…
周りに迷惑かけないようにって…
別に、迷惑かけたっていいのにさ……。



それから、麻耶に泣いてないか聞いたけど、
返ってくる言葉はどれも元気がなかった……。





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