【童話シリーズ第2弾】人魚姫


王子様にはいつもたくさんの縁談が来ていました。



しかし、いつもこう言って断るのです。



「命の恩人であるこの娘以外とは結婚しません」



いつしか王子様も、人魚姫のことを妹と見なくなりました。



本気で愛しているのです。



王子様の父親と母親は困り果てました。



王子様は高い身分の人としか結婚できません。



どこから来たのか分からない人魚姫と結婚させるわけにはいかなかったのです。



一方の人魚姫は、もう夢見心地でした。



王子様は絶対わたしと一緒にいてくださる。



わたし以外の人と結婚することはないんだわ。




そして、人魚姫は新たなものを求めはじめました。



同じような毎日に、人魚姫はだんだん飽きていったのです。



王子様の父親である王様の部屋に忍び込んだり、王子様が仕事中でも遊びに誘ったりしました。



また、人魚姫はたいそう美しかったので、言い寄ってくる人間の男の人もいたのです。



王子様がいるにも関わらず、ほかの男の人と町に出たりもしました。



あるときは宮殿騎士で、あるときは左大臣でした。


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