【童話シリーズ第2弾】人魚姫


「人魚と人間はどこが違うのですか」



ある日、人魚姫は母親である人魚の女王様に聞きました。



「1番の違いは、人間が魂を持っているということなの。わたし達人魚は人間の何倍も生きることが出来るけど、魂はありません」



「どうしたら魂がもてるの」



「人間に愛されて、結婚すればもてますよ」



女王様は笑っていいました。



「でも、人間は人魚と結婚しようとは思いません。足の代わりにしっぽを付けているわたし達を、不思議な生き物だと思うだけですよ」



「どうすればしっぽの代わりに足を付けることが出来るのかしら」



人魚姫は尋ね続けます。



「魔法使いに頼めば出来るわ。でもね、人魚のほうがずっといいのよ。2本の足が欲しいなんて思ってはいけないよ」



女王様は念を押すように、人魚姫に言いました。



王子様のそばで暮らしたい。



考え続けて、人魚姫はとうとう魔法使いの家に行きました。



「しっぽの代わりに2本の足を付けてください」



人魚姫が頼むと、魔法使いはぞっとするような声で言いました。



「2本足になったら2度と人魚には戻れないんだよ」



「構いません。わたしは王子様と同じものになりたいのです」



魔法使いは人魚姫を見て意地悪そうに笑いました。


< 6 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop