【童話シリーズ第2弾】人魚姫
薬は、人魚姫の体を燃えるほど熱くしました。
鋭い痛みが、頭のてっぺんからしっぽの先まで広がります。
ああ、とても熱いわ。
とても痛い。
人魚姫はその場に倒れて、気を失ってしまいました。
朝が来て、偶然通りかかった王子様が人魚姫を見つけました。
そして王子様は、人魚姫があの日自分を助けてくれた人だと気が付いたのです。
「あなたはぼくの命の恩人だ。さあ、上がりなさい」
人魚姫は嬉しさでいっぱいになりました。
王子様に声をかけようとしましたが、声が出ません。
王子様は人魚姫を抱き起こしました。
その時、人魚姫は自分の体からはえている2本の足に気がつきました。
しかし、しっぽの代わりの2本の足は歩くたびにズキズキと痛みます。
魔法使いからは何も教えられていません。
それでも人魚姫は幸せでした。
やっと大好きな人のそばに来る事ができたのですから。