不器用な先輩
「やっぱり彩ちゃんは優しいね~」
旭先輩は気をよくしたのかにこにこしている。
私の教室が4階で屋上は階段を二つぶん上っただけで着いた。
屋上に近づくにつれて落書きが増えていく。
いかにも不良が書き上げました!みたいな落書き。
あぁ。とうとう屋上についてしまう。
そう思ったら、憂鬱になってきた。
先輩はそんな私の気持ちなんて知らずに
「亮~!つれてきたよ~」
といいながら屋上につながるドアを開ける。